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『冬のソナタ』終映パーティーリポート

※2003年7月発刊「韓国はドラマチック」(東洋経済新報社)より

『冬のソナタ』の最終回が放送された2002年3月19日。まさにその日、ヨイドの63ビルディングで、7時からドラマの終映パーティーが開かれた。

KBS社長、ユン・ソクホ監督の挨拶やケーキカットと続く華やかなパーティーの中で、ひときわ輝いていた主役のペ・ヨンジュンに直撃インタビュー。

 

放送時間は主婦たちが
テレビの前から動かなくなる

立食のカジュアルなものかと思っていたら、さにあらん。円卓を囲む着席形式で、主要スタッフキャストはもちろん、KBSの社長も出席するという、まるで結婚式のような格式張った盛大なものだった。取材陣も大勢待機していた。

こういう大がかりなパーティーは、成功したドラマといえども、いつもするわけではないという。KBSでも久々だそうだ。

KBSの社長は挨拶で、「今回のドラマの放送時間は、主婦たちがテレビの前から動かなくなる。うちも同じで、家内はこの時間になると私が何をいっても聞いてくれないんです」と笑いを誘っていた。そして、今回のドラマがいかに社会現象を起こしたか、それがとても誇らしいことだと述べていた。

当日の夕方まで最終回の編集をしていたというユン・ソクホ監督も、ほっとした表情で大変な撮影を振り返りながら、みんなにお礼を述べ、最後は、「記者のみなさん、盛り上げてくれてどうもありがとう」と締めくくった。確かに今回は毎日のように関連の記事が紙面を飾り、そうした記事が人気を後押しした感もある。

パーティーではまるで結婚式のようにみんなでケーキカットし、無事の終映を祝った。いつも思うが、日本だとこういう場合はお酒の入ったタルの蓋を木槌で割ったりするが、韓国ではいつもみんながナイフに手を添えてケーキカットする。そういう習慣になっているらしい。

とにかく本当に大がかりなパーティーで、今回のドラマがいかに大きな成功を治めたかがうかがいしれた。

 

胸の奥がキューんとなる
大人のストーリー

実際、私も日本で字幕なしのビデオを借りて見ていたのだが、これがまたはまってしまうのだ。『秋の童話』よりも大人のストーリーで、こちらのほうがメロドラマ度が強い。薦めた友人たちもみんなことごとくはまっていった。ちなみにみんな30代の女性だが、言葉がわからなくても夢中で見ていた。

何がいいかといえば、今の日本では見られないような劇的な『ザ・メロドラマ』の展開に気持ちよく泣かされてしまところだ。そして、なによりも主演のペ・ヨンジュン、チェ・ジウの高潔なまでの美しさが光を放っている。出ている姿を見るだけでうれしくなる美しさだ。

特に私は主役のペ・ヨンジュンの洗練されたたたずまい、ソフトな微笑み、最高級ブランドといった感じの品のよさに、「ちょっと今の日本にはいない素敵さだわ」と思いながら見ていた。

音楽も素晴らしく、ドラマの始まりの曲を聴いただけで胸の奥がキューんとなり、一瞬にして物語の世界に心が持っていかれるのだ。

また、画面が一幅の絵のように情緒たっぷりなので、雪の並木道やスキー場など、思わずその場所に行ってみたくなる。

そして、ファッションが素敵で、「あのマフラーの巻き方どうやるんだろう」「あのセーターの着方かわいい」という楽しみもあった。

つまり、「いいと思う感覚」は韓国の女性たちと同じなのである。

私の年代は、その昔、百恵・友和の赤いシリーズを夢中で見ていた年代なので、特にとっつきやすいというか、「こういうの、久々に見たかった」という感じなのである。ちなみに60代の私の母も夢中で見ていた。

 

いろんな作品や役柄に
チャレンジしたい

パーティーも終盤、記者たちが監督、俳優たちを取り囲み始め、簡単なインタビューが始まった。ここぞとばかりに、ペ・ヨンジュンに短いインタビューを試みた。

――海外進出については考えているんですか?特に今は台湾ですごい人気ですが。

「準備しているところです。言葉の問題が大きいですが、これについても少しずつ準備しています。1、2年以内に実現できればと思っています」

――日本へは?

「可能であれば進出したいですね」

――日本に対してどんな印象を持ってますか?

「どう答えればいいのかなあ、難しいなあ(笑)。でも行ってみたいです。トランジットで一度だけ成田に寄ったことはあるけど……、とにかく行ってみたいです」

――映画への進出については?

(当時、まだ映画作品は決まっていなかった)

「これからは映画に取り組もうと思っているので、今回がもしかしたら最後のドラマになるかもしれません。演技的な面でももっと幅広い演技をしてみたいので、映画の方をやろうと思っています」

――映画ではどんな役をやりたいですか?

「ひとつに限定して、これをやりたい、あれをやりたいというのではなく、どんな役柄も全部やっていきたい。作品もたくさん出たいし、役柄も本当にいろんな役を演じたいんです。

だから何か限定してこういう役をやりたいというのはないですね。でも、やりたいジャンルはあります。スリラーです」

――例えばどんな?

「『ユージュアルサスペクツ』とか。」

(ちなみに、俳優として欲が出るようになった作品は、『冬のソナタ』の前に出演した『ホテリアー』だったという)

――『ホテリアー』は、ペ・ヨンジュンさんにとってどんな作品でしたか?

「うーんどういえばいいのかなあ。ちょっと難しいんですけど、私はもともと作品が多くはなかったんです。ひとつの作品をやったら1年くらい勉強したりしながら、またしばらくしてひとつの作品をやるというようにしてきたんです。

だけど、『ホテリアー』という作品をやりながら、これからは作品をたくさんやりたい、そして演技についても、もっともっとたくさんやっていきたいと思うようになったんです。演技について意欲が湧いてきたんです。

日本ではどうやるのかわかりませんが、『ホテリアー』では台本自体も現場で書かれていたんです。現場で台本を書いて、現場で直接渡されて、それを見ながら続けて演技していくという……。ものすごく大変でした。でもその分、俳優としての意欲が生まれてきたんです」

ペ・ヨンジュンの後ろでスーツを着たマネージャーたちが山のようにそびえていて、「そろそろ」というプレッシャーをかけているので、この辺で切り上げた。

その後ペ・ヨンジュンは映画出演が正式に決定した。『スキャンダル―朝鮮男女相悦之詞』という時代劇ラブロマンで、フランス社交界が舞台のラクロの小説『危険な関係』の韓国時代劇版。ペ・ヨンジュンは、イ・ミスク、チョン・ドヨンといった2大女優を相手にプレイボーイを演じるのだとか。早ければ2003年秋にも公開されるそうだ。