映画解説

映画解説一覧に戻る

タイトル 将軍の息子3
韓国公開年 1992年
出演者 パク・サンミン シン・ヒョンジュン オ・ヨンス キム・スンウ
監督 イム・グォンテク

【 映画紹介 】

『将軍の息子3』は、韓国が日本の植民地時代だった1930年代から40年代のソウルを舞台に、韓国独立運動の中心人物キム・ジャジン将軍の息子、キム・ドゥハンの活躍を描いた大人気シリーズ『将軍の息子』の第3弾です。言ってみれば、韓国の仁侠映画ですね。

キム・ドゥハンは、この時代にあってヤクザでありながら、己のプライドを貫き、日本人ヤクザらから社会の弱者を助けたことで知られ、今でも韓国人に人気がある歴史上実在の人物です。  シリーズの1,2では、孤児として育ち、浮浪者の生活をしていたキム・ドゥハンがその腕っ節を買われ、ソウルの繁華街鐘路を仕切る親分になっていく過程や、自分の出生を知り、民族意識に目覚めていく過程が描かれていますが、第3弾では、キム・ドゥハンがチョンノの縄張りを巡って日本人ヤクザの林一派と戦いの末、ウォンサンという地域に逃げていくところから始まります。

そこで、借金のかたにおいていかれた歌手の女性との新たな出会いを経験したり、また昔の兄貴分をたずねてひと悶着起こしたり、紆余曲折を経て、再び鐘路に戻り、いよいよ林一派との最後の戦いに挑んでいく様が描かれます。

主演はドラマ『愛の群像』などでおなじみのパク・サンミン。『ガン&トークス』『アウトライブ』などのシン・ヒョンジュン。ほかにシリーズおなじみの面々が出てきますが、1作目に続いて、『ホテリアー』『新貴公子』でおなじみのキム・スンウが再登場します。

そしてヒロインの歌手を演じているのは、清純で可憐な美しさが光るオ・ヨンスです。

今やカンヌ映画祭で監督賞を受賞するほどの巨匠監督となったイム・クォンテク監督が90年代に生み出したエンターテイメントテイスト溢れるシリーズです。

tashiro

キム・ドゥハンは1918年生まれなので、この映画で描かれている時期はまだ二十歳前後の若さなんですね。それでも多くの人々からボスとしてカリスマを認められていたというのはつくづくすごい人だったんだなあと思います。
キム・ドゥハンはその後国会議員になりましたが、ほどなくして、財閥の密輸を政府が黙認していたことに反発し、肥溜めの中身を国会でぶちまけるという汚物投てき事件を起こして議員を辞職、その後72年に高血圧で54歳で亡くなっています。