映画解説

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タイトル 将軍の息子2~英雄武闘伝説~
韓国公開年 1991年
出演者 パク・サンミン シン・ヒョンジュン ソン・チェファン イ・イルチェ
監督 イム・グォンテク

【 映画紹介 】

『英雄武闘伝説・将軍の息子Ⅱ』は、韓国が日本の統治下にあった1930年代末、日本人ヤクザに対抗し、韓国民衆を守りぬいた時代のヒーロー、実在の人物キム・ドゥハンの活躍を描いた大ヒット痛快娯楽アクションの続編です。

孤児の浮浪者から腕っ節の強さと度胸を買われてソウルの繁華街鐘路を仕切るボスにまでなったキム・ドゥハンが、日本人ヤクザの林一派と全面戦争を繰り広げる様子が描かれます。

今回も第一作に続き、キム・ドゥハンが次々と名うてのボスたちをやっつけていく様子が描かれますが、一人の女性を巡って、幼なじみでライバルの男性と三角関係を繰り広げたり、初めて自分が韓国独立運動の中心人物だったキム・ジャジン将軍の息子であり、既に父親は暗殺されていたことなどを知るようになるなど、キム・ドゥハンを思い悩ます事件事情が次々に出てきます。

主演のパク・サンミン、林役のシン・ヒョンジュン、そしてキム・ドゥハンと恋のライバルになる役でイ・イルチェといった1作目からのおなじみのキャストに、ヒロインとして『オールイン運命の愛』のマリア役、『初恋』のペ・ヨンジュンの姉役でもおなじみのソン・チェファンが登場します。彼女にとってはデビュー作で、このときの役名をそのまま芸名として使っています。

メガホンを取った韓国映画界の巨匠イム・グォンテク監督が運転手姿でちらりと顔を見せているのもご愛嬌です。

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なんとも気になる終わり方ですが、この作品はシリーズ第3弾へと続きます。シリーズ1が、一人の男がのし上がっていく躍動感があったのに比べると、2作目ではいろいろなことに思い悩む模索の時代が描かれた感じでした。
映画の中でキム・ドゥハンに父親のことを教える人物として出てくる小説家パク・ケジュは1938年に『殉愛譜』という小説を発表し、有名になった人です。この小説は崇高で清潔な男女の愛を描いた内容で、劇中でもキム・ドゥハンが学生たちに朗読させて泣いていましたが、当時、多くの人々の紅涙を絞ったそうです。こうした知識人からの薫陶を受けた影響か、彼はただのヤクザでは終わらず、のちに国会議員になっています。