映画解説

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タイトル 死んでもハッピーエンド
韓国公開年 2007年
出演者 イェ・ジウォン キム・ウォニ チョ・ヒボン チャン・ヒョンソン
監督 カン・ギョンフン

【 映画紹介 】

『死んでもハッピーエンド』は、映画女優にプロポーズに来た男たちが、なぜか次々と死んで行ってしまうというブラック・コメディーです。

1998年に制作されたフランス映画『シリアル・ラヴァー』のリメイクです。元のフランス映画は、‘コミック残酷劇’という新しいジャンルを生み出した映画として評価された作品ですが、リメイクに当たり、原作映画では敏腕編集者だったヒロインを世界の映画祭で主演女優賞を受賞するトップ女優という設定に変えて、予期せぬ事態が相次いで右往左往する女優とマネージャーの物語へとグレードアップしています。

映画女優が世界の映画賞で主演女優賞を獲得したニュースが駆け巡った夜、在米韓国人、組織暴力団のボス、俗物知識人の教授、小心者の映画監督がそれぞれ女優に受賞のお祝いとプロポーズをしようと彼女の家を訪ねます。そこに、女優のマネージャーや、泥棒と刑事たちも加わって、甘く優雅な夜になるはずが、とんでもない夜になっていくのでした。

ロマンスあり、サスペンスもあり、軽くてユーモラスな状況がそこここに発生し、緊張感とブラックな笑いを提供する映画、『クワイエット・ファミリー』や『甘く、殺伐とした恋人』の系譜を継ぐ韓国のコミック残酷劇になっています。

かわいいけれどぶっ飛んでいるキャラクターがよくハマるイェ・ジウォンが、そのままイェ・ジウォンという名前の映画女優を演じている同一性も面白さとなっています。

男性陣にはイム・ウォニ、リチャード・キム、チョ・ヒボンらが扮しています。

tashiro

あんなに人が死んだのに、なんだかすっかり丸く収まってしまう可笑しさが、またブラックですよね。ちなみにトイレのギャグは原作のフランス映画にはなかったエピソードだそうで、やはり韓国っぽいなあと変なところに感心してしまいました。
劇中自分の名前そのままで登場したイェ・ジウォンは、親しみを感じさせるオールド・ミスのキャラクターが良く似合う人ですが、この映画に出演するにあたってぴっちりとしたドレスを着こなしセクシーさを見せるために、あわてて7キロ減量して演じたそうです。いつも表現力豊かな人ですが、この映画ではさらに動きの一つ一つがなんだかおかしくて、笑いを誘っていました。