映画解説

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タイトル ボイス
韓国公開年 2002年
出演者 ハ・ジウォン キム・ユミ ウン・ソウ チェ・ウジェ
監督 アン・ビョンギ

【 映画紹介 】

『ボイス』は、携帯電話を素材にしたホラー、ミステリー作品です。

女性ジャーナリストのヒロインがストーカーに苦しめられ、携帯電話を変え、親友の別宅にしばらく身を寄せることになります。しかしそれを期に次々に不思議な現象が起き始め、親友の子供が間違って携帯電話に出たことで何かに取り付かれたような異常な行動をとるようになるなど、ヒロインの周りで恐ろしい出来事が起こっていきます。そのうちにその携帯番号を使っていた人々が次々不審な死を遂げていたことがわかっていく……というストーリー。ビデオテープを媒介にして恐怖が広がっていく、日本の『リング』という映画を髣髴とさせる内容です。

こちらもビデオ同様、携帯電話という、日常に欠かせないものが素材だけにこの映画の恐ろしさが身近に感じられてより恐怖を誘います。

監督は韓国のホラーメーカーのアン・ビョンギ。自身もホラー映画が大好きなマニアだそうです。

ヒロインを演じるハ・ジウォンは、アン監督のデビュー作の『友引忌―ともびき-』でも主演しており、独特な光を放つ瞳の演技が秀逸で、当時はホラークイーンとも呼ばれました。

ハ・ジウォンの親友役のキム・ユミは、ドラマ『ロマンス』にも出演しているシャープなクールビューティー。

そして子役ウン・ソウのすごい演技に驚かれると思いますが、実はこの映画が日本で公開されたとき、テレビスポットCMでこの子役の恐ろしい表情に子供が怖がるとクレームが殺到し、差し替えられるという出来事がありましたが、監督いわく、彼女には全く演技指導は必要なかったというほどで、そんな彼女の演技力にはただただ驚くばかりです。

tashiro

ホラー映画でも結局はもの悲しい愛の余韻が残るところは、韓国的ですよね。
効果音にも驚かされたと思いますが、主演のハ・ジウォンさんは撮影時にも実際にこの恐怖を掻き立てる効果音を聞きながら演技をしていたんだそうです。なので本当に恐怖を感じながら演技ができたということです。
ちなみに劇中に出てくる携帯電話の番号は実はアン・ビョンギ監督の携帯番号なのだそうで、韓国で公開された当時は一日に1000件以上のいたずら電話がかかってきたそうです。こんな怖そうな番号を使っているなんて大胆な監督さんですね。