映画解説

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タイトル 楽しき人生
韓国公開年 2007年
出演者 チョン・ジニョン キム・ユンソク キム・サンホ チャン・グンソク
監督 イ・ジュニク

【 映画紹介 】

『楽しき人生』は、中年男たちがロックバンドを再結成するというおじさんたちの青春音楽映画です。

会社をクビになり、退職金も株でパーにしてしまった男。そんな時彼の学生時代のバンド仲間が亡くなったという知らせを受けます。久しぶりに集った昔のバンド仲間たち。亡き友の遺品のエレキギターを見て熱い情熱がよみがえってきたメンバーたちは、それぞれ生活するのに精一杯の毎日ですが、20年ぶりにロックバンドを再結成することを思い立つのでした。40代となった3人のおじさんたちと、亡きメンバーの息子がボーカルに加わって世代間の絆も生まれながら、彼らは悲哀の多い自分たちの人生の中に新たな楽しみを見出していくのでした。

『黄山が原』『王の男』『ラジオスター』とずっとコンビで作ってきたイ・ジュニク監督とチェ・ソクファン作家の名コンビが放つ第4弾。特に『ラジオスター』と、このあとの『あなたは遠いところに』と並んで、監督自ら音楽三部作と称する、音楽をふんだんに取り入れた作品です。

主演にはイ・ジュニク監督作品で常連の『王の男』『風の国』のチョン・ジニョン、ドラマ『復活』や映画『チェイサー』のキム・ユンソク、映画『食客』のキム・サンホ、といった個性の際立つ実力派スターたちが勢ぞろい。そのなかで『快刀ホン・ギルドン』『ファン・ジニ』の若手スター、チャン・グンソクが輝く若さを発揮しています。バンドを組むこの4人は劇中で100%実際の演奏を披露していますし、チャン・グンソクも見事な歌唱力で見るものを驚かせます。

キム・サンホが青龍映画賞男優助演賞を受賞し、音楽賞も獲得しました。そしてチャン・グンソクが百想芸術大賞新人男子演技賞に輝きました。

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若いチャン・グンソクにとって、実力派と称される3人の先輩俳優たちとの共演はお金に変えられない大切な経験だったということで、先輩たちの演技哲学やキャラクターに対する執念まで多くのことを習ったそうです。まるで無料で演技のレッスンを受けたようなものだったそう。そして芸能人になって初めて俳優になるべきだと思わせてくれた作品だったということです。
チャン・グンソクは最新作の『イテウォン殺人事件』で、この『楽しき人生』でも共演したチョン・ジニョンと再び共演して猟奇殺人の容疑者を演じ、演技者としてさらに成長した姿を見せています。