映画解説

映画解説一覧に戻る

タイトル セックス・インポッシブル~男はみんな狼だ~
韓国公開年 2003年
出演者 シネ オ・ジホ ユン・ダフン ソン・ソンミ
監督 キム・ソンドク

【 映画紹介 】

『セックス・インポッシブル』は、超保守的な家に育った女子大生とその仲間たちが、大学を舞台に繰り広げるセクシャルコメディーです。

数百年もの間、戦乱のさなかにも貞節を守り続けた祖先をもつ烈女の家門に生まれ育ったミンソ(シネ)。父親から、男の誘惑から身を守るようにと代々伝えられている銀粧刀と呼ばれる小刀を身につけさせられます。そんな厳格な父の元を抜け出し、ソウルの大学に通い始めたミンソは、ある男子学生ジュハク(オ・ジホ)から何度もアタックされ、ついに付き合い始めることになります。父の教えを固く守りぬく彼女を相手に、なんとか一夜を共にしたいジュハクは、友人からのアドバイスをもらいながらあの手この手を考えるのですが、果たして彼の思いは成就するのでしょうか。

大人気だったシチュエーションコメディードラマ『俺たち三人組』などの作家で、監督として映画界に進出したキム・ソンドク監督の作品です。

純粋なイメージをもつシネと『ファンタスティック・カップル』のオ・ジホ。そしてドラマ『俺たち三人組』や『恋するハイエナ』でお調子者の遊び人を生き生きと演じていたユン・ダフンが、ここでもお得意の役どころでコミカルパートを楽しげに演じてます。

tashiro

ヒロインの家に代々伝わる、銀で作られた装飾小刀は、銀粧刀、韓国読みで「ウンジャンド」と呼ばれるものです。高麗時代から伝わるものだそうで、身に危険が迫ったら貞節を守るために自ら命を絶つための道具でした。日本でも武家の娘がやはり護身用と、また最悪の事態には自害するために懐剣(ふところがたな)を身につけていたのと同じ感覚ですね。そして、貞節を守り抜いたあっぱれな女性を、広く、のちのちまで讃えるために王様が建ててくれるのが、烈女門でした。その門があるのは家門の誉れだっただけに、劇中のお父さんも、娘に家系の伝統を守らせようと必死だったのでしょう。