映画解説
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タイトル | リベラ・メ |
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韓国公開年 | 2000年 |
出演者 | チェ・ミンス チャ・スンウォン ユ・ジテ ホ・ジュノ キム・ギュリ |
監督 | ヤン・ユノ |
【 映画紹介 】
『リベラ・メ』は、都会の平和を脅かす連続放火犯と消防士たちの息詰まる戦いを描いた、韓国初のファイヤー・アクション大作として話題を呼んだ作品です。
タイトルの『リベラ・メ』とは、ラテン語で「我を救いたまえ」という意味です。
幼い頃家族を放火で殺した罪で獄中にいた男ヒス。彼が十数年後に出所したとたんに次々と火災が発生します。この火災で仲間の消防士を失ったサンウは、女性調査員と共に火災の原因究明に力を尽くします。そしてそれが同じ犯人による放火だということに気がつきますが、この放火犯との全面対決の過程で大切な仲間が次々に危険にさらされていくのでした。
全編火、火、火。この映画の主役は、まるで生き物のように襲いかかってくる炎だといってもいいでしょう。驚くことに、CGもミニチュアも使っていないんです。釜山を映画の街にしようと取り組んでいる釜山フィルムコミッションの初の支援作で、アパート団地、病院など釜山市の実際の建物を提供し、セットではなく本物を燃やすというスペクタクルシーンの撮影に成功。また本物の炎の中で、俳優陣もスタントマンを拒否して、自ら危険なシーンにも体当たりで挑んでいます。
主人公の消防士に扮しているのは、カリスマ俳優チェ・ミンス。そして放火犯役のチャ・スンウォンは火を自在に操る悪魔のようでもあり、悲哀も感じられる演技で余韻を残しています。紅一点は『友引忌』『こっくりさん』のキム・ギュリ。そして若き消防士としてユ・ジテ、また『オールイン』『シルミド』のホ・ジュノ、『パリの恋人』『サンドゥ学校へ行こう』のベテラン女優チョン・エリが特別出演しています。
ものすごい炎の迫力でしたが、それに負けず、ハリウッドではやらなかった、本物の炎で撮影しよう!というスタッフ、キャストの燃える熱い気持ちが伝わってきました。その姿は、消防士が仕事に命をかけて臨んでいるその美学と重なり合うものがあります。
ヤン・ユノ監督は、実際の消防士たちが置かれている恵まれていない現状に心を痛めながら、ところどころにそうしたエピソードを入れて作り上げたそうです。
また撮影期間中は毎日11台の消防車、消防隊員らも派遣するなど、釜山市は物的・人的支援をしました。映画のためにこうした前面支援体制が取られるところが今の韓国映画の勢いを後押ししているのだと思います。