映画解説

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タイトル 狐怪談
韓国公開年 2003年
出演者 ソン・ジヒョ パク・ハンビョル チョ・アン
監督 ユン・ジェヨン

【 映画紹介 】

今回お送りする『狐怪談』は、芸術専門の女子高を舞台にまき起こる恐怖を描いたホラー映画です。

学校のそばにある、28段の階段。ここには、強く願いながら上ると29段目が現れて、狐の霊が願いをかなえてくれるという狐階段の伝説がありました。切なる願いを狐階段に託す少女たち。でもそのゆがんだ願いの代償は恐ろしい呪いでした。

この作品は、『囁く廊下~女校怪談』、『少女たちの遺言』といった、思春期の少女たちの、不安定で危うい心理を‘ホラー’というジャンルで描きだして好評を博した女高怪談シリーズの第3弾にあたります。今回は美と才能を磨く芸術高校を舞台に、バレエで競い合う親友同士の、才能への嫉妬、劣等感、ねたみ、いじめなどが恐怖を起こす引き金となり、そこに学校に伝わる怪談ばなしを絡めていく展開となっています。

このシリーズの特徴は、女子高を舞台にしたホラーという共通項のもと、毎回監督もキャストも変えて、新人監督、新人女優たちを世に送り出してきたことです。今回は特に、監督も女性のユン・ジェヨン監督で、シナリオ作家も女性、もちろん主演も女性で、女性が中心となって作られました。

主演の座を射止めたのは、『宮~love in palace』や『朱蒙』のソン・ジヒョと、その美貌から第2のチョン・ジヒョンとも評される『ファンタスティック・カップル』のパク・ハンビョル。そして『まわし蹴り』のチョ・アンが特殊メイクを施し、醜く太った女学生という癖のある役どころで登場します。

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いかがでしたか? 男性メインの作品が圧倒的な韓国映画の中にあって、女性が主体となり、しかもシリーズとして続いているのはとても貴重なんですね。これまでに『銭の戦争』のパク・ジニ、『スイート・マイ・シティ』のチェ・ガンヒ、『恋人』のキム・ギュリ、『バリでの出来事』のパク・イェジン、『ありがとうございます』のコン・ヒョジン、『ガラスの靴』のキム・ギュリなど、過去このシリーズに出た女優たちは皆注目され、その後人気者になっているだけに、『狐怪談』の主演オーディションには3000人もの志願者が殺到し、3ヶ月かけてヒロインが選ばれました。