映画解説

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強力おすすめ

タイトル アンティーク~西洋骨董洋菓子店~
韓国公開年 2008年
出演者 チュ・ジフン キム・ジェウク ユ・アイン チェ・ジホ
監督 ミン・ギュドン

【 映画紹介 】

『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』は、4人の美男子がいる洋菓子店を舞台に繰り広げられる温かくミステリアスな人間ドラマです。

日本のよしながふみの人気漫画「西洋骨董洋菓子店」が原作で、日本ではドラマやアニメにもなったので物語自体はおなじみという方も多いでしょう。

甘いものが苦手な男ジニョクが女性客がたくさん訪れるからと「アンティーク」という名の洋菓子店を開きます。そこに、彼の高校の同級生でゲイの天才パティシエ(キム・ジェウク)や、ケーキ大好きの元ボクサー(ユ・アイン)、男の幼なじみ(チェ・ジホ)も加わり、美男子たちがいるおいしいケーキの店として人気を集めていくのですが、町で連続誘拐事件が発生するのとともに、男のケーキにまつわるトラウマが明らかになっていくのでした。

監督・脚本は『少女たちの遺言』で少女たちの繊細な心情を美しくスクリーンに映し出し大きな注目を浴びたミン・ギュドン監督。原作漫画にひとめぼれしたという監督が原作の世界観をとてもよくスクリーンに移しかえていて、トラウマを抱え、自分探しをする人物たちの姿にキュンとくる作品になっています。

チュ・ジフンが演じているのが、幼き日のトラウマに苦み、‘その時’を取り戻さなければ自分が自分ではないようなもどかしさ、焦燥感を常に抱えているという主人公。チュ・ジフンの、本音を隠してひょうひょうと振舞う、ダンディーなのに適度にやさぐれた感じが魅力的です。

またセクシーでありながら時おりいたいけな表情も見せる、魔性のゲイを演じたキム・ジェウク、元気いっぱいなようでいて絶望を経験した元ボクサーに扮したユ・アイン、どんくさいボディーガードを演じたチェ・ジホと、役柄にぴったりの4人がかもし出すハーモニーが心地よく、なんだかんだ言いあっていても実はわかりあえている‘仲間’という絆にジ~ンとくるでしょう。

tashiro

ミン・ギュドン監督は当初チュ・ジフンに魔性のゲイ役を考えていたそうですが、シナリオを読んだチュ・ジフンが、今の自分の心境に近いものを感じるからどうしてもジニョク役をやりたいと伝えたために、俳優が自分のやりたい役を演じるのが重要だとする監督の考えで、チュ・ジフン本人が希望する役を演じてもらうことになったそうです。