映画解説
強力おすすめ
タイトル | 反則王 |
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韓国公開年 | 2000年 |
出演者 | ソン・ガンホ チャン・ジニョン チャン・ハンソン パク・サンミョン |
監督 | キム・ジウン |
【 映画紹介 】
『反則王』は、昼はダメダメサラリーマン、でも夜はリングに上がって‘反則王’として活躍するという、抱腹絶倒、ちょっぴりほろ苦さも残るスーパー・コメディーです。
デビュー作『クワイエット・ファミリー』で、それまで韓国では受けないとされていたブラックコメディーを成功させたキム・ジウン監督の手腕が光る2作目。笑いの呼吸が合うという事で、前作に引き続きソン・ガンホが登板しています。
さえない銀行員のイム・デホ(ソン・ガンホ)は、いつも上司にバックドロップをかけられている気弱な男。家でも父親にふがいないと思われているダメ息子です。そんなときふと目に留まったプロレスジムに入門し、何とか上司のバックドロップをかわせるようになりたいと練習に励むようになります。そして、ジムの諸事情により‘反則王’としてリングに立つようになるのでした。
扱っている題材は違えども、コンセプトは『Shall Weダンス?』です。『Shall We…』では、ダンス教室の女性に心惹かれて…と、ダンスを始める動機は女性のためでした。しかし『反則王』は上司に対抗するために…。景気が安定せず、リストラも多い20世紀末の韓国においてはその動機が一番代理満足感を与えてくれたのでしょう。ソウルで81万700人の観客を動員し、2000年の興行成績2位、歴代の興行成績で見ても6位という大ヒットを記録しました。
ソン・ガンホの持つコメディーセンスが十二分に発揮され、絶妙の間の取り方で一挙手一投足に笑いが起こります。対するプロレスジムの面々もみんなちょっと小太りの個性派揃い。反則王というぐらいなので、様々な反則技が出てくるのですが、その内容もなんだか姑息で笑えます。
プロレスジムの娘を『オーバー・ザ・レインボー』『菊花の香り』などで人気のチャン・ジニョンが演じています。
強くなれたら…という願望をソン・ガンホが代わりに果たしてくれます。ストレスがたまっている人には少し勇気がわいてくるかもしれません。
公開当時、最後に上司をやっつけていたらもっと観客を動員できたのにと周囲から言われたそうですが、キム・ジウン監督は、主人公が安易に上司に復讐する展開は無意味だと思い、ご覧のような現実味にこだわったオチにしたそうです。
ソン・ガンホはスタント無しで、2ヶ月間1日6時間ものトレーニングを積んで撮影に臨んだということです。
少し自信がついてきて、かねてから好きだった女性に告白するも木っ端微塵に砕けてしまい、笑えるのですが、どこか物悲しい。強くなっても何もかもがうまくいく訳じゃないところにこの作品が単なるお笑い映画ではないメッセージ性が読みとれます。