映画解説

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タイトル シンソッキ・ブルース
韓国公開年 2004年
出演者 イ・ソンジェ キム・ヒョンジュ イ・ジョンヒョク
監督 キム・ドヒョク

【 映画紹介 】

『シンソッキ・ブルース』は、ひょんなことで体が入れ替わってしまった男が繰り広げるファンタジック・ラブコメディーです。

シン・ソッキという名前も弁護士という仕事も同じ2人の男。決定的に違うのは、一人は有能な美男子(イ・ジョンヒョク)で、もう1人はうだつの上がらない不細工な男(イ・ソンジェ)というところ。そんな2人が同じエレベータに乗ったところ、事故にあってしまい、美男のソッキは目覚めると、なんと不細工男の身体に入れ替わってしまっていました。

何もかも順調だったのに、手のひらを返したような周りの反応にショックを受けながらも、新しい身体で生きなければならなくなったソッキ。しかも、モテ男時代に弄んで捨てた女性ジニョン(キム・ヒョンジュ)から、会社の不当解雇を訴えたいと弁護を頼まれてしまい、再び顔を合わせるようになるのでした。

イケメンが不細工になったとたんに味わう屈辱的な仕打ちをコミカルに描き、見た目が待遇や地位にも大きく左右するという韓国で問題視されている外見至上主義をユーモアたっぷりに風刺しています。

主演は、『氷雨』などで渋い大人の男の魅力をかもし出していたイ・ソンジェ。良くぞここまでといえるほど、自分を捨てて不細工男に徹しており、その変身ぶりは驚くばかりです。ヒロインには『商道(サンド)』『ガラスの靴』のキム・ヒョンジュ。そして『グリーンローズ』などのイ・ジョンヒョクが出演しています。

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いかがでしたか? 恵まれた環境で利己的だった一人の青年が、不細工になって味わう仕打ちをへて、大切なものを得るようになるという成長物語にもなっていましたが、「美女と野獣」のように、最後に元の美しい王子様に戻ってしまうと、おとぎ話としてはいいのでしょうが、どこか釈然としないものが残るなあと思っていたのですが、この作品ではそうしなかったところが外見至上主義へのアンチテーゼというテーマがより強調されてよかったです。
ところで、イ・ソンジェは、あの不細工な顔を作るためにおばさんパーマを1週間ごとにかけ、毎日眉毛を半分以上抜き、八重歯の突き出た入れ歯をはめたまま演技した性で、顔面麻痺を起こしてしまった事もあるそうです。すごい役者根性ですね。