映画解説

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タイトル ワイルド・カード
韓国公開年 2003年
出演者 ヤン・ドングン チョン・ジニョン ハン・チェヨン
監督 キム・ユジン

【 映画紹介 】

『ワイルド・カード』は、日々捜査に追われる凶悪犯罪課の刑事たちの日常と哀歓をリアルに描きだしたヒューマン・ドラマです。

ジェス(ヤン・ドングン)は刑事になって6ヶ月の新米。コンビを組むベテラン先輩刑事のヨンダル(チョン・ジニョン)とともに残業や張り込みにぼやきながらも懸命に事件に取り組む熱血刑事です。ある日鉄の玉を使った連続通り魔殺人事件が発生し、容疑者として4人の若者が浮かび上がり、ジェスたちは夜を徹して捜査に当たるのでした。

被害者への同情心、犯行を防げなかった罪悪感、犯人への憎しみ、危険に相対する恐怖心やおびえ、葛藤など、実際の刑事たち200人に会って話を聞いた内容がシナリオに生かされ、とにかく走り、素手で立ち向かうというアナログ刑事たちの体当たりの姿が生き生きと描かれています。

主演は『勝手にしやがれ』『風のファイター』などのヤン・ドングンと、『ガン&トークス』『王の男』のチョン・ジニョン。2人が荒っぽい情熱とともに、とぼけた味わいをもつ人間くさい刑事たちに扮し、『秋の童話』『怪傑春香』のハン・チェヨンが花を添えています。

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いかがでしたか? 韓国では2001年ごろからヤクザを描いた映画がブームのようにヒットし、暴力団に憧れる若者が増えてしまったそうで、監督は、それに異を唱える意味でも刑事を素材にした映画を制作したという事です。それだけに、この映画を見て刑事になりたいという若者が増えてくれたら嬉しいと語っていました。

このあと主演のヤン・ドングン、チョン・ジニョン、ハン・チェヨンの3人が警視庁から、日本の巡査部長に当たる名誉警察官職に任命され、キム・ユジン監督には警察庁長官の感謝状が授与されました。